私たちの住む日本は、列島が北から南へと縦に連なることで、地域の気候差が生み出すバラエティー豊かな食文化や産品、それぞれ独自に発展してきた生活様式、それに伴う歴史的建造物・観光スポット・景観の違いなど、世界でも類を見ない多様な魅力を受け継ぎ育ててきた素晴らしい国です。
そんな日本を訪れる海外からの観光客がここ10年程で急増しました。そして、日本各地では独自の観光PRや特産品開発などを積極的にすすめる地域が増えてきたように思います。もしかしたら、LCC等格安便の増加や各国の交通インフラ発達など、気軽な海外旅行が身近になり全体の旅行者数が増えたことも原因だと思いますが、日本の魅力をどこかで知り、行ってみようと思った外国の方が旅行先として日本をチョイスしているのは事実です。皆さんも日本各地で海外の人が増えたことを体感されているかと思います。
そのような状況下、ニュースなどでも訪日外国人向けの観光開発だとか、インバウンド対応など、国や企業がすすめる地方創生という言葉を耳にする機会が多くなったのではないでしょうか。
現在はコロナ禍により海外の往来が難しい状況ですが、近い将来それが落ち着き始めたころには、自粛のストレスを発散するべくこれまで以上に海外旅行者が増えていくのではないかと予想されます。そんな未来にむけて、観光コンテンツの整理や商品開発など、日本各地の魅力を整理したり高めておく準備は今のうちにしておくべきだと思います。
ここで、地方創生にですが、その取組や目的とはなんでしょうか?上記のような海外や地域外からのお客様に満足を提供するためだけの魅力づくりでしょうか?
勿論それらも大きな目的の一つといえます。しかしその本来の目的は、短期的な収入増を考えた一過性の取り組みではなく、変化する世の中のニーズに合わせ、フレキシブルな対応ができる主体的な地域づくりができるか?地域の伝統をいかに受け継いでいくか?地域内や近隣の地域も含め、その地域に最適な商品やお金が回る経済圏づくりはどうしたら実現するか?など、継続性のある取り組みが日本全体の未来を支える本質的な活動だと私たちは考えています。
またこれらの検討に私たちのような立ち位置の仕事として向き合う場合、時に地域目線で、時によそ者目線で、地元に住んでいる方々主体で活動内容を協議していく必要があります。あくまでもそこに住み、これからも住んでいく人の、自分のまちをどうしたいか?という意志が優先であるはずです。
次に、地域の仕事で起こりがちな問題について。地方創生の活動が増え、商品開発やPR、デザインなどあらゆる専門分野に長けた力や実績のあるプロデューサーが現在全国で多く活躍されていると思います。しかしその能力を発揮して頂くための下地作りやコーディネートがなければ、本来の力を発揮できず、活動が立ち消えてしまうことになってしまいます。内容は良いのにプレイヤーがいない、地域の合意が得られないなどが、活動が迷走状態に陥いってしまうよくある原因です。まずその地域の特徴や課題の背景を綿密に確かめ、地域住民との協議を重ねること。そして最適な解決策を、地域住民が合意する状況で導きだすことが重要ではないかと考えています。他地域の成功事例をそのまま流用するようなパッケージ型の解決策は、地域性も合わない、住民の思いも異なるなど、失敗してしまうことも増えてしまうでしょう。地方創生は個別オーダーの活動です。
プロデューサーや専門家と、課題を抱える地域の関係はもしかしたら、素晴らしいブランドの服やバッグと、オシャレをしたい人の関係に似ているかもしれません。いい服もその人の特性に似合うか?色の組み合わせは最適か?年齢相応であるか?など、コーディネーターやスタイリストの役割がとても重要になるかとおもいます。
しかし、このスタイリストの役割を担える人材は、専門家やプロデューサーの数に比べ圧倒的に少なく、その必要性もあまり理解されてない気がします。
私たちは多くの地域と関わりその中で経験させて頂いた知識を活かし、それぞれの地域特性や商材を最適な解決方法と組み合わせるような、コーディネートの業務を行っていきたいと考えています。
もし地域課題をお持ちのエリアや、そのようなお仕事をされているけれど難航しているなどあれば、以下メールにご相談ください。
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