再生可能エネルギーは、いまや地域創生を語る上で欠かすことのできないトピックスの一つです。2020年10月、菅総理大臣の「2050年カーボンニュートラル宣言」以降、国・地方自治体の双方において、再エネ主力電源化へ向けた議論が本格化してきています。他方で、そうした議論が起こる前から、地域に賦存する資源(地域資源)を活用した地域づくりという文脈の中で、再エネを積極的に導入・利活用していこうとの施策が全国各地で展開されてきました。
私たちは、過去数年間にわたり、こうした再生可能エネルギーを活用した地域づくり・地域活性化という文脈の中で、地方自治体向けの再エネ導入コンサルティングを行ってきました。例えば、その地域としてどのような理想像・将来像を掲げ、そこに向けてどのように再エネ施策を展開していくのかといった構想づくり(エネルギービジョン策定)から、エネルギー種別(太陽光、風力、水力、バイオマス、地中熱など)に応じた当該地域における導入・展開プランの検討、そして導入後の展開施策づくりなど、その地域ならではの再エネ導入・利活用策について、地方自治体の方々が検討する際のお手伝いをしています。
その際、外部コンサルという立場でお手伝いするわけですが、外部の第三者(よそ者)であるからこそ可能な地域への関わり方があるだろうと私たちは考えています。言うまでもなく、エネルギーは、あらゆる人間の活動に必要不可欠な要素です。それゆえ、地産地消を狙いとした再エネ導入施策の場合であっても、地域内だけを視野に入れている限り、その効果は限定的なものにとどまり、十全には発揮されません。地域外との交通(ヒト・モノ・カネ・情報などの流れ)をも含めた、いわば生活圏全体を視野に入れた施策の検討が必要となるのです。さらに加えて、SDGsの文脈とも関わりますが、再エネを活用する当該取組みの持続可能性、つまり将来世代に対する責任やベネフィットなど、時間的広がりを視野に入れた検討も重要となってきます。
私たちのような外部コンサルは、まさに第三者(よそ者)であるからこそ、当該地域外との接点を有しているだけでなく、客観的視野のもと、その地域を見ることができるのです。そうした意味で、地域の再エネ導入施策を検討されるに当たっても、私たちのような第三者をうまく使っていただけると良いのではないかと私たちは思っています。